THE NEUTRAL =歩道橋の上=

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2015/02/21

「ホームラン代谷」といふ男

名は体を表すとはよく言ったもので、代谷は出会った時よりも「ホームラン代谷」になったと思う。
「ホームラン代谷」どっかずっこける名前であり、知らない人は一瞬構える名前であり、２０代の頃ならどうせバカなやつなんだろうと思われがちだが、３０代での「ホームラン代谷」はどっか奥行きさえも感じてしまうという不思議な名前だ。

当の代谷もまさにつかみ所のない不思議な男。
おそらく彼の事を一番良く知っているのは、全世界中で僕が一番だと自負している。
僕は彼より彼を知っている。

彼は真っすぐな男とであり、ずるい事をしようとするとすぐにバレてしまう愛嬌もある。
そして伝え下手。
あろうことか伝えたい気持ちと真逆の思いが相手に届いてしまうと言う、絶対にいらない、持つべきではないスペックを所有している。
もちろん丁寧にその真意を汲み取れば分かってもらえるのだが、元来の口べた、無愛想、照れ屋が相まって、理解される前に相手を怒らせると言う否素晴らしい性格の持ち主だ。

だが、彼はまさに噛めば噛むほど味がするいい男だ。
ただ味がするまで10年はかかると思う。

だから僕は彼が彼女が出来て紹介されるたびに、彼の良さを出来るだけ丁寧に伝えるようしている。
誤解されがちなところこそ、彼の良さだと。
で、その昔、彼に新しい彼女を紹介され僕は丁寧に彼の良さを話した後、彼に「しげやん、えらいオレの彼女と話してたな。そんなに誰からも好かれたいんかいな」と言われた。

このように普通ならのど仏をトウキックしてやりたいところが、この勘の悪さが彼の良さなので僕なんかはにやけてしまう。

そんな彼も今日でまたひとつ歳を重ね、僕らとの年月も増えていく。
いつまでもつかみどころのない、でもみんなから愛される彼であってほしい。

誕生日おめでとう！

追伸　でも生まれ変わるなら代谷だけは絶対に嫌だ。