2008/06/25
nanana 〜親父とオレと、大腸がんとホルモン鍋〜
義理姉から唐突に「社長(僕の親父)からしげるちゃんには言うなって言われたんやけど・・・、あの・・・」と切り出された。
この世に生を受けて数十年、さすがにこのイントロが良くない話だと言うのは分かる。
自然と呼吸を整え覚悟を決める。
「あのね、社長、大腸がんかもしれへんって」
超ど級のサビがやってきた。
僕の覚悟よりももう一つ上の話。
姉を続けて「検査で陽性反応が出たんやって」
この時の心境は、つまらない冗談にとってほしくはないが、ガーン!である。
「ついにこの時が来たかぁ」というものだった。
成人を超えたら少しずつ覚悟はしていた。
親は絶対ではない。
いや、人は絶対ではない。
先日、親友の父も他界した。
親友はいつか僕にもその日が来る事を知っていたから「家に帰れるなら親に顔を見せたあげな」と言っていた。
その話を聞いたお昼には僕は親父に会いに行っていた。
「おぉ、しげる!帰ってきたんか!!」と相変わらずのヘビースモーカー。
「よし!今日はホルモン鍋でもしよか!」と、大腸がんの疑いのある人がまさかの動物の腸を食べる事を選択するなんて・・・。
空気を一生懸命見計らって「親父なんかえらいことなってるかもやって?」という、なんだか的を得ているような得ていないような質問をしたところ、「おぉ、まぁ、大腸がんの疑いがあるって。まぁ、良性のポリープかもしれへんし、今度の検査で内視鏡を使ってあったら切り取って調べるっていう話や。」
少し胸が落ち着いた。
義理姉や兄貴の話を聞いていると、大腸がん確定、しかも末期、ほどの暗いテンションでかかってきたので、少しは気が落ち着くってものである。
それでも気が気でないのは確か。
今まで絶対に病院には行かなかった親父が自ら検査に行くほど良くはないのだ。
ちなみに今までは、双子の片割れが(親父は双子なのだ)、毎年健康診断受けて「お前の分も見てもろとるみたいなもんやから大大丈夫じゃがい!」という言葉を信じてまったく検査を受けた事がなかった。双子といっても、生活環境も違うし、もはや顔も似てなくなってきているのに気が付いていないのだろうか?
そんな体に対していい加減な事をしているから、案の定、今回みたいな事になるのだ。
息子でしかこのように厳しく親にいえないだろう。
頼むから長生きしてほしいのだ。
検査の今日。
親父は病院の入り口でしこたま煙草を吸うという暴挙に出て、少しお説教を食らったらしいが、なんとか検査開始。
僕と兄貴は少し遅れて母と合流。
のはずが、母が病院にいない!?
ん??
慌てて電話。
繋がった。
「おかん、どこにいるの?」との問いに、まさかの「今お友達とランチにいってるの」との答え。
いくら答えのない世の中とはいえど、これは正解ではない方だろう(笑)。
「だって、私がいても検査結果変わらへんし、全身麻酔が取れるまでしゃべれへんから時間つぶしに」という話だ。
この緊張感のなさ、このノンキさ。
この親にしてこのこの子ありってか。
しかたなく2人で病室に行くと、麻酔から覚めた親父がいた。
少し呂律がまわっていなかったが、元気そうだった。
どうやら、良性のポリープだったよう。
詳しくはまた調べるらしいが、大丈夫だという話だ。
その話を聞いて、一気に眠気が襲ってきた。
ここ数日の睡眠不足の種が奇麗になくなった。
良かった。
その一言につきる。
神様でもなんでもなく、ただただ、空に向かってありがとうと、そして親父にありがとうと。
親父はしきりに一週間後のゴルフにいけない事を悔やんでいたが、しかたあるまい。
命あってのモノダネだ。
僕のこの道、まだまだ形にならず今ももがいている。
こんなまま親に旅立たれたら申し訳ない。
「nanana」で歌ったように、何が出来るのだろう、何が残せるだろう。
少しだけ歩みを早めよう。
僕よ、もっともっとこの命を激しく燃やすのだ。
僕にはまだ若さがある。
若さは激しく生きていく中で育つものかもしれない。
今日も明日も、激しくGO!だ。
この世に生を受けて数十年、さすがにこのイントロが良くない話だと言うのは分かる。
自然と呼吸を整え覚悟を決める。
「あのね、社長、大腸がんかもしれへんって」
超ど級のサビがやってきた。
僕の覚悟よりももう一つ上の話。
姉を続けて「検査で陽性反応が出たんやって」
この時の心境は、つまらない冗談にとってほしくはないが、ガーン!である。
「ついにこの時が来たかぁ」というものだった。
成人を超えたら少しずつ覚悟はしていた。
親は絶対ではない。
いや、人は絶対ではない。
先日、親友の父も他界した。
親友はいつか僕にもその日が来る事を知っていたから「家に帰れるなら親に顔を見せたあげな」と言っていた。
その話を聞いたお昼には僕は親父に会いに行っていた。
「おぉ、しげる!帰ってきたんか!!」と相変わらずのヘビースモーカー。
「よし!今日はホルモン鍋でもしよか!」と、大腸がんの疑いのある人がまさかの動物の腸を食べる事を選択するなんて・・・。
空気を一生懸命見計らって「親父なんかえらいことなってるかもやって?」という、なんだか的を得ているような得ていないような質問をしたところ、「おぉ、まぁ、大腸がんの疑いがあるって。まぁ、良性のポリープかもしれへんし、今度の検査で内視鏡を使ってあったら切り取って調べるっていう話や。」
少し胸が落ち着いた。
義理姉や兄貴の話を聞いていると、大腸がん確定、しかも末期、ほどの暗いテンションでかかってきたので、少しは気が落ち着くってものである。
それでも気が気でないのは確か。
今まで絶対に病院には行かなかった親父が自ら検査に行くほど良くはないのだ。
ちなみに今までは、双子の片割れが(親父は双子なのだ)、毎年健康診断受けて「お前の分も見てもろとるみたいなもんやから大大丈夫じゃがい!」という言葉を信じてまったく検査を受けた事がなかった。双子といっても、生活環境も違うし、もはや顔も似てなくなってきているのに気が付いていないのだろうか?
そんな体に対していい加減な事をしているから、案の定、今回みたいな事になるのだ。
息子でしかこのように厳しく親にいえないだろう。
頼むから長生きしてほしいのだ。
検査の今日。
親父は病院の入り口でしこたま煙草を吸うという暴挙に出て、少しお説教を食らったらしいが、なんとか検査開始。
僕と兄貴は少し遅れて母と合流。
のはずが、母が病院にいない!?
ん??
慌てて電話。
繋がった。
「おかん、どこにいるの?」との問いに、まさかの「今お友達とランチにいってるの」との答え。
いくら答えのない世の中とはいえど、これは正解ではない方だろう(笑)。
「だって、私がいても検査結果変わらへんし、全身麻酔が取れるまでしゃべれへんから時間つぶしに」という話だ。
この緊張感のなさ、このノンキさ。
この親にしてこのこの子ありってか。
しかたなく2人で病室に行くと、麻酔から覚めた親父がいた。
少し呂律がまわっていなかったが、元気そうだった。
どうやら、良性のポリープだったよう。
詳しくはまた調べるらしいが、大丈夫だという話だ。
その話を聞いて、一気に眠気が襲ってきた。
ここ数日の睡眠不足の種が奇麗になくなった。
良かった。
その一言につきる。
神様でもなんでもなく、ただただ、空に向かってありがとうと、そして親父にありがとうと。
親父はしきりに一週間後のゴルフにいけない事を悔やんでいたが、しかたあるまい。
命あってのモノダネだ。
僕のこの道、まだまだ形にならず今ももがいている。
こんなまま親に旅立たれたら申し訳ない。
「nanana」で歌ったように、何が出来るのだろう、何が残せるだろう。
少しだけ歩みを早めよう。
僕よ、もっともっとこの命を激しく燃やすのだ。
僕にはまだ若さがある。
若さは激しく生きていく中で育つものかもしれない。
今日も明日も、激しくGO!だ。
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