2008/02/16
オオカミ友人
中学から高校時代、最も遊んだ仲間の一人にとてつもないウソをつく奴がいた。
彼と出会う前に友達から「あいつはウソつきやから気をつけろ」と助言を受けるほどの生粋のウソつき。
鮮やかとも言え、むしろ清々しいほどのウソっぷり。
ウソがばれていないと思っているのは当人のみ、僕らはいつもその恐れ多いウソを半ば楽しみに聞いていた。
いくつか例えを挙げよう。
●とにかく広い家は自分の家だと言い張る。
もう一度確認するが、中学から高校時代の仲間である。小学生のエピソードではない。ちなみに自分の家だと言い張る大きな家の前でキャッチボルをしていたらボールがその家に入ってしまったのだが、彼はこそ泥のようにこっそり入って取りにいっていた。
●東京大学の理系の赤本の下に、もっと気楽に入れる大学の文系の本が置いてあった。
東大と地方の大学の学歴の差はもちろん、文系と理系の本は一緒やったらあかんやろという話である。
●中学卒業時には「イギリスに留学する」という大ウソを突き通し、卒業アルバムにも「イギリス言っても忘れるなよ!!」とコメントされるが、こっそりと大阪の高校に通う。
●駅前でジャニーズの人に声をかけられたと言い張る。
ちなみに姫路駅にジャニーズ関係の人がいる事はまずない。
しかし、彼はとにかく面白い奴だった。
そして良くモテた。
高校生で何股もかけている奴を見たのは彼が初めてだった。
ここでは書けないが、このほかにも彼はとんでもない嘘をたくさんついていた。
でも、それは彼の周りの環境を見ればそうなるのも分かる気がした。
彼は誰かに対してウソをついていたのだが、付き過ぎてそれが当人には本当に思えているくらいの重傷だった。
彼は彼自身を認めようとせず、自分を否定するようにウソを突き通していた。
それでもボクは彼が大好きだった。
でも、彼はきっと本当の本当に僕らに心を開いてはくれなかったのだろう。
ある日の夏祭り、僕らと彼は些細な事で喧嘩してそれ以来になってしまった。
未だにボクは心残り。
どうしてあの時にもっともっと、彼を認めて肯定してあげなかったのだろうか?
ボクは彼のお笑いが大好きで、彼の優しさも大好きだったのに。
今でも時々、彼クラスのウソをつく人を見かける事がある。
人には色んな事情があるのだろう。
でも、自分を大きく見せるウソはいつだって悲しくなる。
みんなが見ているところはそんなところじゃないのに。
死ぬまでの間、付き合っていく自分自身。
良さもずるさも駄目なところもすべて知っている自分自身。
せめて自らが愛してやれなければ。
ウソで守っていくのではなく、悔しさや恥ずかしさが襲う時も、唇を噛んで、その度に立ち上がっていく自分を愛してやらねば。
それは、強さだとか弱さという問題ではない。
それが生きているという事なのだから。
彼と出会う前に友達から「あいつはウソつきやから気をつけろ」と助言を受けるほどの生粋のウソつき。
鮮やかとも言え、むしろ清々しいほどのウソっぷり。
ウソがばれていないと思っているのは当人のみ、僕らはいつもその恐れ多いウソを半ば楽しみに聞いていた。
いくつか例えを挙げよう。
●とにかく広い家は自分の家だと言い張る。
もう一度確認するが、中学から高校時代の仲間である。小学生のエピソードではない。ちなみに自分の家だと言い張る大きな家の前でキャッチボルをしていたらボールがその家に入ってしまったのだが、彼はこそ泥のようにこっそり入って取りにいっていた。
●東京大学の理系の赤本の下に、もっと気楽に入れる大学の文系の本が置いてあった。
東大と地方の大学の学歴の差はもちろん、文系と理系の本は一緒やったらあかんやろという話である。
●中学卒業時には「イギリスに留学する」という大ウソを突き通し、卒業アルバムにも「イギリス言っても忘れるなよ!!」とコメントされるが、こっそりと大阪の高校に通う。
●駅前でジャニーズの人に声をかけられたと言い張る。
ちなみに姫路駅にジャニーズ関係の人がいる事はまずない。
しかし、彼はとにかく面白い奴だった。
そして良くモテた。
高校生で何股もかけている奴を見たのは彼が初めてだった。
ここでは書けないが、このほかにも彼はとんでもない嘘をたくさんついていた。
でも、それは彼の周りの環境を見ればそうなるのも分かる気がした。
彼は誰かに対してウソをついていたのだが、付き過ぎてそれが当人には本当に思えているくらいの重傷だった。
彼は彼自身を認めようとせず、自分を否定するようにウソを突き通していた。
それでもボクは彼が大好きだった。
でも、彼はきっと本当の本当に僕らに心を開いてはくれなかったのだろう。
ある日の夏祭り、僕らと彼は些細な事で喧嘩してそれ以来になってしまった。
未だにボクは心残り。
どうしてあの時にもっともっと、彼を認めて肯定してあげなかったのだろうか?
ボクは彼のお笑いが大好きで、彼の優しさも大好きだったのに。
今でも時々、彼クラスのウソをつく人を見かける事がある。
人には色んな事情があるのだろう。
でも、自分を大きく見せるウソはいつだって悲しくなる。
みんなが見ているところはそんなところじゃないのに。
死ぬまでの間、付き合っていく自分自身。
良さもずるさも駄目なところもすべて知っている自分自身。
せめて自らが愛してやれなければ。
ウソで守っていくのではなく、悔しさや恥ずかしさが襲う時も、唇を噛んで、その度に立ち上がっていく自分を愛してやらねば。
それは、強さだとか弱さという問題ではない。
それが生きているという事なのだから。
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