2013/12/04
我が家のかぞくのじかん、1
「あの子はどこの子?あぁ県住の子ね。」
何度この言葉を聞き、幼心に何度傷ついたことか。
県営住宅というのには申し訳ないくらい僕が幼少期に住んでいた通称「県住」はずっと夕暮れの色合いを保ったままのような団地だった。
全6棟くらいの団地。
向かいの棟はやくざの下っ端の人が住んでいるだとか、隣の棟の人は夜逃げしただとかそんな噂ばっかり。
僕らガキンちょは、冬は常に鼻水たらしていて、ティッシュなんてもんは当然持ち合わせていないもんだから、それを袖で拭いていて。だから袖は常にカピカピで。。。
夏場は夏場で同じ服しかもってないもんだから、Tシャツはみんな洗濯しすぎて肩がスケスケで。。。
つまりみんなド貧乏だった。
その頃の我が家と言えば。。。
お米は国から支給されるものだと思っていたというボンボン育ちのうちの親父。
ボンボンがゆえに口だけは一人前。
実家に「俺は一人でやっていく!」とタンカを切って出てきたはいいものの、どうして稼いだらいいか分からなかったという危うい時代。3つ年上の兄貴がいうには絵本も買ってもらえないほどの貧乏だったらしい。
ちなみにあまりにお金に困った母が友人からお金を借りて生活費にあてたのを知ったときに親父は激怒し、この恥さらしが!と母を追い出すというなんとも昭和なエピソードがある。
しかしおばあちゃん、つまり母は自分のお母さんに「だめです!あの人の元に戻りなさい!」といわれ渋々帰ってきたらしい。
ちなみにこれは兄貴が生まれて間もない頃の話。
つまりおばあちゃんがいなければ、僕は生まれてなかったのである。
あっっぶねーーーー!!と今でも声を出してしまいそうになる。
2年ほど前、偶然実家で当時の母がつけていた家計簿とメモ書きが見つかった。
それを見ると生活に影を踏まれている当時の我が家が苦しそうに息をしている。
「きょうもしげるがグズッて困りました。」
「子供たち二人を一人で一度にお風呂に入れるのは大変でした。しげるがまったく言うことを聞きません。お風呂の種火は消してます。」
お風呂の種火って。。。どんな風呂やねん。。。あと母さんめっちゃ俺を鬱陶しそうしてるやん。。。っていうか親父はどこにおるねん。。。と読みながら何度もつぶやいてしまった。
家計簿には「大根60円。ネギ60円」と一円でも安い物を買おうとしている生活感あふれる母の努力が垣間見れる。
が、ある日をきっかけにその家計簿は終わっている。
家計簿が終わっている最後の日。
「大根70円。白菜80円。お父さんのゴルフ10000円」と書かれてあった。
母いわく、どれだけ節約しようがゴルフで一万円も使われたらやってられないと思いやめたらしい。
僕よりも年下の頃の親父。
気持ちはわかる。
男は長い間バカで愚かで乱暴なのだ。
僕が当時の親父でも同じように自分の稼ぎそっちのけで仲間と飯食ったり酒飲んだりしてたと思う。
もう一度言うが悲しいかな、20代前半の男とはそういう生き物なのだ。
今にして思うと、いつも県住に漂っていた夕暮れの色合いは住人みんなのため息と、いつかこの生活を抜けてやるという淡すぎる期待が入り交じった色だったのかもしれない。
何度この言葉を聞き、幼心に何度傷ついたことか。
県営住宅というのには申し訳ないくらい僕が幼少期に住んでいた通称「県住」はずっと夕暮れの色合いを保ったままのような団地だった。
全6棟くらいの団地。
向かいの棟はやくざの下っ端の人が住んでいるだとか、隣の棟の人は夜逃げしただとかそんな噂ばっかり。
僕らガキンちょは、冬は常に鼻水たらしていて、ティッシュなんてもんは当然持ち合わせていないもんだから、それを袖で拭いていて。だから袖は常にカピカピで。。。
夏場は夏場で同じ服しかもってないもんだから、Tシャツはみんな洗濯しすぎて肩がスケスケで。。。
つまりみんなド貧乏だった。
その頃の我が家と言えば。。。
お米は国から支給されるものだと思っていたというボンボン育ちのうちの親父。
ボンボンがゆえに口だけは一人前。
実家に「俺は一人でやっていく!」とタンカを切って出てきたはいいものの、どうして稼いだらいいか分からなかったという危うい時代。3つ年上の兄貴がいうには絵本も買ってもらえないほどの貧乏だったらしい。
ちなみにあまりにお金に困った母が友人からお金を借りて生活費にあてたのを知ったときに親父は激怒し、この恥さらしが!と母を追い出すというなんとも昭和なエピソードがある。
しかしおばあちゃん、つまり母は自分のお母さんに「だめです!あの人の元に戻りなさい!」といわれ渋々帰ってきたらしい。
ちなみにこれは兄貴が生まれて間もない頃の話。
つまりおばあちゃんがいなければ、僕は生まれてなかったのである。
あっっぶねーーーー!!と今でも声を出してしまいそうになる。
2年ほど前、偶然実家で当時の母がつけていた家計簿とメモ書きが見つかった。
それを見ると生活に影を踏まれている当時の我が家が苦しそうに息をしている。
「きょうもしげるがグズッて困りました。」
「子供たち二人を一人で一度にお風呂に入れるのは大変でした。しげるがまったく言うことを聞きません。お風呂の種火は消してます。」
お風呂の種火って。。。どんな風呂やねん。。。あと母さんめっちゃ俺を鬱陶しそうしてるやん。。。っていうか親父はどこにおるねん。。。と読みながら何度もつぶやいてしまった。
家計簿には「大根60円。ネギ60円」と一円でも安い物を買おうとしている生活感あふれる母の努力が垣間見れる。
が、ある日をきっかけにその家計簿は終わっている。
家計簿が終わっている最後の日。
「大根70円。白菜80円。お父さんのゴルフ10000円」と書かれてあった。
母いわく、どれだけ節約しようがゴルフで一万円も使われたらやってられないと思いやめたらしい。
僕よりも年下の頃の親父。
気持ちはわかる。
男は長い間バカで愚かで乱暴なのだ。
僕が当時の親父でも同じように自分の稼ぎそっちのけで仲間と飯食ったり酒飲んだりしてたと思う。
もう一度言うが悲しいかな、20代前半の男とはそういう生き物なのだ。
今にして思うと、いつも県住に漂っていた夕暮れの色合いは住人みんなのため息と、いつかこの生活を抜けてやるという淡すぎる期待が入り交じった色だったのかもしれない。
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